【ユースエール認定とは?】認定条件や認定企業一覧を解説!

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就活生や転職希望者のみなさん、こんにちは!

累計2000万PVを突破した日本最大規模の就活ブログ「就活攻略論」を運営している就活マンです。

(これまで7年間、ほぼ毎日スタバにこもって1500以上の記事を書いてきました。就活や転職についての知識は誰にも負けない自信があります!

… その代わりに友達が少なく、週1回の1人サウナを楽しみに寂しく生きています。笑

今回は「ユースエール認定」について詳しく解説していきたいと思います!

まず結論から言うと、ユースエール認定とは、若者の採用や育成に積極的で、若者の雇用管理の状況が優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度です。

要するに「若者の採用や雇用管理が優れた企業に与えられる認定」なんですよね。

そんなユースエール認定について、気になるのが、具体的にどんな条件をクリアしている企業に与えられる認定なのか、それとどんな企業が認定しているのかという点。

今回はこれらの解説を主軸として、どこよりも分かりやすくユースエール認定について解説していきます!

図解も多用して視覚的にも面白い記事にしていくので、ぜひ最後まで読み込んでもらえると嬉しいです。

ユースエール認定は聞いたことがあるのですが、具体的にどんな認定条件なのかは全く知りません!

そうだよね!どんな認定もその認定条件を把握しないと、そもそも信頼できるかどうか判断することはできない。ユースエール認定の信頼性についても、一緒に考えていこう!

ユースエール認定制度とは?

まずはユースエール認定の概要について解説していきます。

冒頭で解説したとおりで、厚生労働省の公式サイトでも以下のように説明されています。

【ユースエール認定制度とは】

若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度です。

「ユース」とは若者を意味し、「エール」は応援を意味します。

文字通りで若者を応援する企業に与えられる認定だと言えますよね。

こちらのユースエール認定制度はいつから開始したのか?

ユースエール認定制度は、平成27年の10月(2015年10月)からスタートした制度です。

そもそもなぜユースエール認定制度が始まったのか、背景としては若者の人口減少や新卒の早期離職率の高さが挙げられると考えることができます。

なるほど!若者の採用だけでなく、育成に積極的な企業を表彰する制度を設けることで、少子化で若者の人口減少している中、若者を大事にしようという目的が背景にあるんですね。

そうだね。早期離職率も3割前後で高い数字で推移しているから、しっかりと若者を育成して成長させるような企業が求められるからね。

ユースエール認定制度の認定条件とは?

そんなユースエール認定ですが、具体的に認定を受けるための認定条件は何か?

(その他、くるみん認定えるぼし認定健康経営優良法人の認定など、様々な認定がありますが、どれも認定基準まで理解している人が少なく、マークを見ただけで「良い会社なんだ」と評価してしまう人が多いことに僕は課題を感じています!)

ユースエール認定制度の認定条件ですが、厚生労働省のサイトに明記されています。

【ユースエール認定の認定条件】

  1. 学卒求人など、若者対象の正社員の求人申込みまたは募集を行っていること
  2. 若者の採用や人材育成に積極的に取り組む企業であること
  3. 以下の要件をすべて満たしていること
    ・直近3事業年度の新卒者などの正社員として就職した人の離職率が20%以下
    ・「人材育成方針」と「教育訓練計画」を策定していること
    ・前事業年度の正社員の月平均所定外労働時間が20時間以下かつ、月平均の法定時間外労働60時間以上の正社員が1人もいないこと
    ・前事業年度の正社員の有給休暇の年間付与日数に対する取得率が平均70%以上又は年間取得日数が平均10日以上
    ・直近3事業年度で、男性労働者の育児休業等取得者が1人以上又は女性労働者の育児休業等取得率が75%以上
  4. 以下の雇用情報項目について公表していること
    ・直近3事業年度の新卒者などの採用者数・離職者数、男女別採用者数、平均継続勤務年数
    ・研修内容、メンター制度の有無、自己啓発支援・キャリアコンサルティング制度・社内検定の制度の有無とその内容
    ・前事業年度の月平均の所定外労働時間、有給休暇の平均取得日数、育児休業の取得対象者数・取得者数(男女別)、役員・管理職の女性割合
  5. 過去に認定を取り消された場合、取り消しの日から起算して3年以上経過していること
  6. 過去に[7]から[12]までに掲げる基準を満たさなくなったため認定辞退を申し出て取り消した場合、取消しの日から3年以上経過していること
  7. 過去3年間に新規学卒者の採用内定取消しを行っていないこと
  8. 過去1年間に事業主都合による解雇または退職勧奨を行っていないこと
  9. 暴力団関係事業主でないこと
  10. 風俗営業等関係事業主でないこと
  11. 雇用関係助成金の不支給措置を受けていないこと
  12. 重大な労働関係法令違反を行っていないこと

引用:厚生労働省「ユースエール認定制度」

※細かい注釈はわかりやすくするために除いているので、詳しくは上記の厚生労働省の公式サイトを参考にしてください。

僕はこれまでホワイト企業に関して100記事以上書いてきて、こうしてホワイト企業ナビという求人サイトも運営しているので、こうした認定には知見がある方です。

離職率と残業時間が必須条件になっている点が良い

まず3年後離職率が20%以下で、かつ残業時間の平均が20時間以内を必須条件としている点は素晴らしいと思いましたし、この点でユースエール認定の取得企業はブラック企業が排除されていると分かります。

(もちろん細かい話をすると、内部的にパワハラがあったりなどは把握しきれないので絶対にブラック企業を排除していると断言することはどんな認定を持ってしても難しいですが。)

一方で、若者の応援という視点に立って見た時に、1つ目の条件である「若者対象の正社員の求人申込みまたは募集を行っていること」は正直当たり前かなという印象。

若者の採用や育成の充実の面では曖昧か

次に2つ目の条件である「若者の採用や人材育成に積極的に取り組む企業であること」は、かなり抽象的だと感じました。

この点、詳しく調べてみると、「人材育成方針及び教育訓練計画報告書」などの提出によって若者の採用や人材育成に積極的かどうかを測るようです。

引用:厚生労働省「基準適合事業主認定申請書(様式第1号)」

ですが、この人材育成方針及び教育訓練計画報告書の内容において、若者の育成が充実しているかどうかは曖昧だと感じました。

(人それぞれ何があれば充実しているかの判断基準も異なるので。)

以上のことから、ユースエール認定の認定企業は、残業時間や離職率が好条件である点は評価できますが、若者の応援・育成に関しては認定を受けているからと言って「絶対に若者の育成が充実している企業です!!」とは断言できない点に注意が必要だと思いますね。

ユースエール認定到達度診断が設けられている

またユースエール認定に関しては、認定レベルに到達しているかどうか診断が用意されています。

厚生労働省の若者雇用促進総合サイト内にある「ユースエール認定到達度診断とは」から診断を無料で受けることができるので、取得検討している企業の担当者の方はぜひ診断を受けてみてください。

ユースエール認定到達度診断のサイト画面

なるほど!こうして具体的な認定条件を見ると、想像していた条件と多少異なりますね。

そうなんだよ。それぞれの認定は条件や基準に目を通して「自分が求める条件が必須条件とされているかどうか」を考えることが最も重要だからね。

認定の権威性だけにごまかされないのが求職者視点ではポイントだよ!

ユースエール認定制度の認定企業一覧

ユースエール認定の概要を理解したところで、気になるのが認定企業一覧ですよね。

厚生労働省の公式サイト「ユースエール認定制度のご紹介」に記載があるのですが、2024年3月末現在で1235社もの企業が認定を受けています。

認定企業の一覧を確認したい場合は、厚生労働省の「若者雇用促進総合サイト」のユースエール認定企業一覧から都道府県別の認定企業が確認できます。

ここでは関東に絞って、ユースエールの認定企業一覧を共有しますね。

【関東のユースエール認定企業一覧】

▼東京都

  • 株式会社アスネット
  • 株式会社富士商事
  • ニチアスウレタン株式会社
  • 株式会社プリンスソフト
  • 株式会社イーコミュニケーション
  • 一般財団法人電気安全環境研究所
  • 株式会社 タカラエンジニアリング
  • 株式会社 キャズテック
  • アライド・ブレインズ株式会社
  • 株式会社サイバーディフェンス研究所
  • (株)オメガシミュレーション
  • 株式会社サプリメントジャパン
  • 株式会社コスモ・インテリジェンス
  • 株式会社アバールデータ
  • 社会福祉法人東中川会
  • 日本地下石油備蓄株式会社
  • 白島石油備蓄株式会社
  • (株)金融エンジニアリング・グループ
  • 株式会社パックライン
  • スカイリーフ株式会社
  • 株式会社ステップワールド
  • オートマックス株式会社
  • メディプライム株式会社
  • 株式会社 FFRIセキュリティ
  • 株式会社HS情報システムズ
  • 株式会社都市整備技術研究所
  • NIC株式会社
  • 株式会社テイルウィンドシステム
  • 寿木本株式会社
  • 株式会社デザイア
  • 国立デンタルオフィス
  • (株)八重洲電業社
  • 株式会社ライズテック
  • (株)キャンドゥコンセプト
  • 株式会社バリューソフトウエア
  • アイ・インテグレーション 株式会社
  • 合同会社AMI
  • 株式会社SEEC
  • 株式会社フレキシブル
  • 株式会社オーブシステム
  • 株式会社アイティシステム
  • 株式会社ランドリーム
  • 株式会社エーフォース
  • 株式会社ブレインアーツ
  • 株式会社なごみ訪問看護ステーション

▼神奈川県

  • 株式会社建新
  • 株式会社横浜電算
  • 社会福祉法人寿徳会
  • ProGATE株式会社
  • 株式会社キャッツ
  • ボッシュエンジニアリング株式会社
  • 社会福祉法人 真澄児童福祉会
  • 社会福祉法人 吉祥会
  • 石田建設株式会社
  • 株式会社 新井清太郎商店
  • 株式会社塩川興業
  • 社会福祉法人小山地域福祉会
  • 株式会社横浜石英
  • 中南信用金庫
  • 株式会社KNコーポレーション
  • 日本サーモケミカル株式会社
  • 株式会社ニプラ
  • 株式会社テクノジャパン
  • 株式会社栄企業
  • 株式会社タスクフォース
  • 株式会社テクノブレーン
  • 株式会社メタテクノ
  • 株式会社フラタニティ
  • 株式会社 ドライビングフォース
  • 株式会社ヨコソー
  • 株式会社創建設計
  • アイシス株式会社

▼千葉県

  • 公益財団法人日本分析センター
  • 株式会社 白松
  • 株式会社KORU
  • 社会福祉法人天光会
  • 有限会社ぶ・えもん
  • 高橋水道株式会社
  • 株式会社 イーエスケイ
  • アシザワ・ファインテック株式会社
  • よみうりスポーツ株式会社 千葉よみうりカントリークラブ
  • 社会福祉法人 光福祉会 ひかり保育園
  • システムスリーテン株式会社
  • 企業組合千葉県森林整備協会
  • 株式会社アルファ・オイコス
  • 社会福祉法人東風会 
  • 戸邊建設株式会社
  • 株式会社エムアールピー
  • 株式会社コーケン
  • 有限会社 センターキュア
  • 株式会社 斉藤総業
  • 医療法人社団 幸葉会
  • 株式会社 融和システム
  • 株式会社 成田エアポートテクノ

▼埼玉県

  • セキネシール工業株式会社
  • 曙機械工業株式会社
  • 株式会社 埼玉富士
  • 株式会社 山本組
  • 株式会社新和製作所
  • 山田光学工業 株式会社
  • 株式会社長谷川製作所
  • 株式会社 丸天興業
  • ナルミナス・キャリア株式会社
  • 金杉建設 株式会社
  • 株式会社 金子組
  • 株式会社園田製作所
  • 創建エンジニアリング株式会社
  • 株式会社 松澤屋
  • 株式会社日本水工コンサルタント
  • 株式会社 ステンレスアート
  • 合同会社Frontier
  • 株式会社トンボカンパニー
  • 松井鐵筋工業株式会社
  • 応用計測サービス 株式会社

▼群馬県

  • ぐんぎんシステムサービス株式会社
  • 社会福祉法人 吉栄会 杉の子保育園
  • 株式会社 協和
  • 社会福祉法人 常磐会
  • 社会福祉法人 新生会
  • 株式会社 中沢工業所
  • 社会福祉法人 桔梗会
  • 社会福祉法人しんまち元気村
  • 社会福祉法人 邦知会
  • アートエンジニアリング株式会社
  • 西吾妻生コンクリート株式会社
  • 新富士化成薬株式会社
  • 四万林業協業組合
  • 大幸建設株式会社
  • 株式会社グンエイ
  • 群馬精機株式会社
  • 社会福祉法人尾瀬長寿会
  • 泉野建設株式会社
  • 株式会社石井工機
  • 株式会社岡田工務店
  • 小板橋建設株式会社
  • 株式会社井上
  • 協和補償コンサルタント株式会社
  • 株式会社徳江工務店

▼栃木県

  • 株式会社アルファ・クリエイト
  • 富士エアロスペーステクノロジー株式会社
  • 株式会社祐宏舎
  • 社会福祉法人 福桜会 特別養護老人ホーム 桜の華
  • 株式会社 薄井土木
  • 株式会社山中組
  • 株式会社キノシタ(マクドナルドフランチャイズ)
  • 石川建設株式会社
  • 株式会社 カネコ
  • 栃木ハイトラスト 株式会社
  • 株式会社T’zFACTORY
  • 株式会社大正光学
  • 株式会社フカサワ
  • 社会福祉法人 たかはら学園
  • ペンタテクノサービス株式会社(五洋建設グループ)
  • 小山鋼材 株式会社
  • 株式会社 オガワ
  • エス・トータルサポート株式会社
  • ケーブルテレビ株式会社
  • 東綱橋梁株式会社
  • 菊地歯車株式会社
  • 有限会社 阿久津左官店
  • 株式会社ファンテクノロジー
  • 株式会社 戸室組
  • 株式会社上澤梅太郎商店

▼茨城県

  • 株式会社武井工業所
  • 株式会社小倉工務店
  • 株式会社梅原工務店
  • 日本放射線エンジニアリング株式会社
  • 新ひたち野農業協同組合
  • 株式会社エスディーエル
  • 株式会社日本エナジーコンポーネンツ
  • 旭真空株式会社
  • 社会福祉法人盡誠会
  • ペンギンシステム株式会社
  • 三栄工業株式会社
  • 東興機械工業株式会社
  • 大塚セラミックス株式会社
  • 社会福祉法人愛信会

日本の企業数は約360万社です。

そのうちの1235社は少数派なので、ユースエールの認定企業は貴重ですね。

先にも解説したとおりで、ユースエール認定を受けていることは、ブラック企業としての残業時間や離職率ではない点で評価できるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

またこうした企業は「ユースエール認定を受けよう」という姿勢があることは事実なので、若者の採用に積極的である可能性が高いです。知名度が低い穴場企業も多いので、ぜひ参考にしてみてくださいね!

ユースエール認定制度の申請方法とは?

ここまでユースエール認定の概要や、認定企業の一覧を確認してきました。

この章からは認定を受けようと考えている企業向けに、申請方法を解説していきたいと思います。

厚生労働省の愛知労働局に申請の説明が丁寧に書かれているので、こちらから引用します。

まずは全体の流れですが、以下のとおりです。

ユースエール認定企業になるまでの流れ
引用:厚生労働省 愛知労働局「ユースエール認定制度お手続きのご案内」

簡単に流れを説明すると、まずは申請書類と申請書類を証明する書類を用意し、それを労働局に提出します。

審査結果が認定であった場合に、企業情報報告書と写真を提出、その後ユースエールマークの交付がされるという流れになります。

申請書類に関しては、「厚生労働省 愛知労働局 ユースエール認定制度お手続きのご案内」内にある「提出書類指定様式」からそれぞれダウンロードが可能です。

ユースエール認定の申請は、えるぼし認定やくるみん認定よりもシンプルです。若者の採用力をより高めたい企業はぜひ申請してみてください。

【注意】ユースエール認定の取り消し要件

ユースエール認定制度に関して、ここで企業側として気になるのが「1度取得した後に取り消しされる可能性はあるのか」という点ですよね。

ユースエール認定の辞退と取り消しに関しては、熊本労働局職業安定部職業安定課が公表している「ユースエール認定申請事前準備用チェックリスト」に明記されているので引用します。

【ユースエール認定の辞退と取り消しに関して】
(取消)
労働局は、以下のいずれかの事由に該当した場合には認定を取り消します。
・認定基準を満たさなくなった場合
・法又は法に基づく命令に違反した場合
・不正の手段により認定を受けた場合
聴聞手続き等を行い取消の決定を行います。

取り消し要件① 認定基準を満たさなくなった場合

ユースエール認定は1度受けると、更新不要で有効期限がないのですが、それは認定基準を満たしている前提です。

認定基準を満たさなくなった場合に取り消しされる可能性があるので注意してください。

1点、認定条件の1つ目である「学卒求人など、若者対象の正社員の求人申込みまたは募集を行っていること」ですが、こちらは年度によって募集をかけている時とかけていない時がありますよね。

その点を考慮してか、ユースエール認定では「若者採用の求人は出ていなくても不問とします」と熊本労働局の資料には記載がありました。

取り消し要件② 法又は法に基づく命令に違反した場合

次にユースエール認定の取り消し要件は、法又は法に基づく命令に違反した場合です。

これはユースエール認定を参考にする求職者としては非常に助かりますね。

法律違反を犯した企業はユースエール認定を維持できない点は押さえておきましょう。

取り消し要件③ 不正の手段により認定を受けた場合

例えば、8つ目の認定条件である「過去1年間に事業主都合による解雇または退職勧奨を行っていないこと」に関して、厚生労働省のサイトでもはっきりと「離職理由に虚偽があることが判明した場合(実際は事業主都合であるにもかかわらず自己都合であるなど)は取り消します。」と記載があります。

以上がユースエール認定の取り消し要件でした。

ユースエール認定は有効期限がない代わりに、認定を維持できるかどうか、毎年事業年度が終了した後に認定基準への適合状況を労働局に提出する必要があります。

そこでチェックが行われる点においても信頼性が高い認定だと僕は考えています。

こうした認定は「基準を満たさなくなると外されるのか」という視点は重要ですよね!例えば、他の認定で10年前に認定されたことを謳っている企業も多かったりしますからね。(2010年度お客様満足度第1位!…今は50位だけどね、みたいな!)

【補足】ユースエール認定の更新について

先にも触れましたが、ユースエール認定の更新は不要です。

よって1度認定を受けることができれば、再度同じように申請書を提出する手間はかかりません。

ですが、認定を維持できるかどうか、毎年事業年度が終了した後に認定基準への適合状況を労働局に提出する必要があります。

また先の章で解説したとおり、認定条件を満たさなくなった場合に取り消しされる可能性があるので、注意してくださいね。

ユースエールマークの更新と取り消し要件の図解

取得企業側からすると、1度認定を受けた後の更新が不要なのは工数がかからずに良いですね。

ですが、取り消し要件ギリギリで認定を受けても、条件を満たさなくなると次年度取り消しされて取得価値が低くなってしまう…という事態になる点には注意が必要です。

ユースエール認定を受ける企業のメリット【6点】

この章では、企業がユースエール認定を受けるメリットを解説します。

メリットに関しては、厚生労働省の公式サイトに明記されているので、こちらを引用しながらより分かりやすく解説しますね。

引用:厚生労働省「ユースエール認定制度」

上記のメリットをまとめると以下のとおりです。

ユースエール認定を受ける企業側のメリット】

  • ハローワーク等で重点的PRを実施
  • 認定企業限定の就職面接会等への参加
  • 自社の商品、広告などに認定マークの使用が可能
  • 日本政策金融公庫による低利融資
  • 公共調達における加点評価
  • 一部地方公共団体における優遇措置

メリット① ハローワーク等で重点的PRを実施

ユースエール認定を受ける1つ目のメリットとして、ハローワークで若者にアピールすることができる点です。

加えて、厚生労働省が運営する「若者雇用促進総合サイト」に認定企業として情報が掲載されます。

ですが若者雇用促進総合サイトの方は僕はそこまで大きなメリットだと考えていません。

なぜなら若者雇用促進総合サイトを利用して企業を探す人が少ないことが予想できるからです。

その点で、ハローワークで積極的に採用をする企業にとっては、前者の「わかものハローワーク」や「新卒応援ハローワーク」などの支援拠点で、ユースエール認定を受けた企業だとアピールできる点はメリットになりえると思います。

認定の権威性によって採用力が上がるのが最大の強みか

加えて、採用力に関して僕が考えていることは、そもそも「ユースエール認定」という認定の権威性によって採用力が上がるというメリットが大きいということです。

何度か話したとおりで、ほとんどの人がそれぞれの認定の基準を把握していません。

よって「厚生労働省からユースエール認定を受けました」という権威性だけを見て、求職者は「この会社は良い会社なのかも!」と考えてくれる可能性があります。

(もちろん実態が伴っていないと早期離職に繋がるので注意が必要ですが。)

求人サイトで大量の求人が乱立したり、合同説明会で似たような企業が出展される中、ユースエール認定を受けたという権威性は採用において大きな武器になると僕は考えています。

メリット② 認定企業限定の就職面接会等への参加

次に、ユースエール認定を受ける企業のメリットが、各都道府県労働局・ハローワークが開催する就職面接会に積極的に参加できることです。

厚生労働省の公式サイトにも記載があるとおりで、「積極的にご案内しますので」と書かれており、ハローワークで直接求職者と接点を持つ機会を増やすことができます。

この点についても、元々ハローワーク経由で採用を積極的におこなっている企業は大きなメリットになると言えますよね。

メリット③ 自社の商品や広告などに認定マークの使用が可能

続いて、ユースエール認定を受けるメリットが、自社の商品や広告などに下記のユースエールマークを使用することができることです。

ユースエールマーク
画像引用:厚生労働省「ユースエール認定制度」

利用シーンを考えた時に、やはり採用系の広告を出す時にメリットが大きいと思いますね。

商品やサービスの広告にこのユースエールマークを記載するのは、関連性が低いため記載しにくいと思います。

メリット④ 日本政策金融公庫による低利融資

次にユースエール認定を受けるメリットは、日本政策金融公庫からの低金利の融資を受けられる可能性があることです。

具体的には、日本政策金融公庫において実施している「働き方改革推進支援資金」を利用する際に基準利率から-0.65%での融資を受けることができます。

こちらの融資を受けることで、今受けている融資よりも低い利率で融資を受けることができるなら大きなメリットになりますね。

メリット⑤ 公共調達における加点評価

次に、ユースエール認定を受けるメリットは、公共調達における加点評価を受けられる可能性がある点です。

厚生労働省の記載をそのまま引用すると、公共調達のうち、価格以外の要素を評価する調達(総合評価落札方式・企画競争方式)を行う場合は、契約内容に応じて、ユースエール認定企業を加点評価するよう、国が定める「女性の活躍推進に向けた公共調達及び補助金の活用に関する取組指針」において示されています。

もちろん絶対的に加点されると断言はされていないのと、実態はどうなのか分かりません。

ですが、こうした認定を受ける企業が加点評価されるというメリットがあることは事実としてあります。

メリット⑥ 一部地方公共団体における優遇措置

最後に、ユースエール認定を受けるメリットは、一部地方公共団体における優遇措置を受けられることです。

しかしこちらの優遇を確認したところ、本当に一部の地域かつ、細かい優遇なのでそれらをメリットとして受けられる企業は少数派だと感じました。

詳しい優遇の一覧は「ユースエール認定企業への優遇措置が設けられている自治体独自事業一覧」にて確認できるので、チェックしてみてください。

個人的にはユースエール認定を受けることの最大のメリットは、採用力の向上だと思います。「厚生労働省」という権威性を借りて、求職者にアピールできるので特に知名度が低い企業にとっては大きなメリットになると思いますね。

ユースエール認定を受ける企業のデメリット【3点】

ユースエール認定を受けるメリットを押さえたところで、反対にデメリットも考えましょう。

ユースエール認定について徹底的に調べた僕が考えるに、大きく3つのデメリットがあります。

【ユースエール認定を受ける企業のデメリット】

  • 認定取得のための工数がかかる
  • 求職者の期待値を上げてしまう
  • 思ったほどのメリットが得られない可能性がある

デメリット① 認定取得のための工数がかかる

ユースエール認定を受けるデメリットですが、まず認定取得のための工数がかかる点が挙げられます。

特に人員が少ない中小企業の場合は、申請書類を作成するのも面倒ですよね。

また更新はないものの、年に1度は認定基準への適合状況を労働局に提出する必要があります。

これらの工数負担は大きなデメリットなので、それだけの工数をかけても取得するメリットはあるのか、メリットとデメリットを天秤にかける必要がありますね。

デメリット② 求職者の期待値を上げてしまう

次に、ユースエール認定を受けるデメリットは、求職者の期待値を上げてしまうことです。

ユースエール認定を含めて、その他、すべての認定に言えることですが、実態が伴っていないとメリットがデメリットに変わると僕は考えています。

「若者応援に積極的な企業なんだ」と期待して入ったら、意外と教育体制が整っていなくて期待外れ…。

「厚生労働省からの認定を受けているから良い企業なんだ」と期待して入ったら、給料が少なすぎてブラック企業だと感じてしまう…。

上記のような可能性は十分にありますよね。

こうしたデメリットを避ける方法としては、実態が伴っていない企業は認定を受けない。

求職者に対して、選考段階で実態を伝えるなどの手段があり、これらを重要視すべきだと僕は考えています。

デメリット③ 思ったほどのメリットが得られない可能性がある

最後に、ユースエール認定を受けるデメリットですが、思ったほどのメリットが得られない可能性があります。

先に紹介した6つのメリットですが、正直なところ「これらのメリットを最大限活用できる企業と、全然活用できない企業が分かれるだろうな」というのが感想です。

こうした理由から思ったほどのメリットが得られず、認定されるのにかけた工数と合わない可能性があるので、事前に要検討すべきだと思います。

なるほど!こうしたデメリットも考慮して、ユースエール認定を受けることでメリットの方が圧倒的に大きくなるかどうかを事前に検討することが重要なんですね!

本記事の要点まとめ

最後まで読んで頂き、本当にありがとうございました!

ユースエール認定について、この記事1つで基本的な理解ができたら嬉しいです。

厚生労働省や経済産業省などの認定は、他にもくるみんやえるぼし、ホワイト500などがあります。

こうした認定の詳しい基準を理解していない求職者が多いからこそ、「期待値が上がる」というのは当然として起こり、それに対して実態が伴っていないと早期離職に繋がってしまいます。

ユースエール認定に関しては、基準の中に残業時間と離職率の必須条件があるので、その点では期待値を大きく外す認定ではないと考えていますが、企業側は実態が伴っているか検討し、求職者側はユースエール認定に過度な期待をしないことが重要だと思います。

これからも僕自身が「これは読みたいと思えるな」という記事を丁寧に書いていきます!

少しでも気に入ってもらえたら、ホワイト企業ナビをブックマークしてもらえると嬉しいです。

以上、就活マンでした!!

【本記事の要点まとめ】

  • ユースエール認定とは、若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度のこと。
  • ユースエール認定がいつから開始したのかと言うと、平成27年の10月(2015年10月)からスタートした制度である。
  • ユースエール認定には12の認定条件がある。
  • ユースエール認定の認定企業は、2024年3月末現在で1235社が認定を受けている。
  • ユースエール認定の申請は、申請書類と申請書類を証明する書類をハローワークまたは労働局に提出することで可能。
  • ユースエール認定の取り消し要件は、「認定基準を満たさなくなった場合」「法又は法に基づく命令に違反した場合」「不正の手段により認定を受けた場合」の3つ。
  • ユースエール認定は更新が不要だが、毎年事業年度が終了した後に認定基準への適合状況を労働局に提出する必要がある。
  • ユースエール認定を受ける企業側のメリットは大きく6つで、「ハローワーク等で重点的PRを実施」「認定企業限定の就職面接会等への参加」「自社の商品、広告などに認定マークの使用が可能」「日本政策金融公庫による低利融資」「公共調達における加点評価」「一部地方公共団体における優遇措置」が挙げられる。
  • ユースエール認定を受ける企業側のデメリットとして考察できる点としては、「認定取得のための工数がかかる」「求職者の期待値を上げてしまう」「思ったほどのメリットが得られない可能性がある」といった点が挙げられる。
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この記事を書いた人

就活マン(藤井智也)

日本最大規模の就活ブログ「就活攻略論」を運営。
大学時代に中堅大学から超高倍率の食品メーカーからの内定を獲得後、1年で退社し独立。これまで執筆した就活記事は1200記事を超える。

この記事を監修した人

藤九 亮輔

国家資格「キャリアコンサルタント」を保有。
元大学キャリアセンター職員。
就活記事のライター歴5年。現在はホワイト企業ナビの編集部として活動中。

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