この記事では、中小企業の基準や大企業との違い、労働環境についてバシッと共有していきます!
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それでは本題に入っていきますね!
就活をしていると「中小企業にも目を向けろ」「優良中小企業はどこ?」なんて言葉を聞くことも多いですよね。
ところで、そもそも中小企業ってどんな企業を指すのか知っていますか?
案外知らない人も多いと思います。
そこで今回は、中小企業の基準(従業員数と資本金)や大企業との違い、労働環境などを共有していきます。
中小企業への就職が向いている人の特徴も紹介するので、就活を控えている人はぜひ参考にしてください!
目次
中小企業だと言える基準について
一般的には中小企業=規模の小さな会社、有名でない会社という使われ方をしますが、実は中小企業にはきちんと基準があります。
その基準というのは従業員数と資本金。
この2つのうちどちらかが業種ごとの基準を満たしていれば中小企業と言えるんですよね。
まずは中小企業の基準となる従業員数と資本金について詳しく見ていきましょう。
中小企業の従業員数に関する基準
1つ目の基準である従業員数は、以下のように中小企業の範囲が定められています。
業種 | 中小企業と言える基準 |
製造業その他 | 常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人 |
卸売業 | 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
小売業 | 常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人 |
サービス業 | 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人 |
表を見て分かる通り、業種によって中小企業と言える従業員数が異なるんですよね。
小売業は50人以下であるのに対し、製造業は300人以下。
なので、中小企業をイメージするときは業種による違いも踏まえた方が良いでしょう。
中小企業の資本金に関する基準
続いて、中小企業は資本金によっても基準が定められています。
資本金というのは会社を始める際に元手となったお金のことですね。
必ずしも現在の業績や規模と結び付くものではありませんが、資本金=会社の体力とも言われるため多ければ信用につながります。
資本金に関する中小企業の基準は以下の通り。
業種 | 中小企業と言える基準 |
製造業その他 | 資本金の額又は出資の総額が3億円以下 |
卸売業 | 資本金の額又は出資の総額が1億円以下 |
小売業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下 |
サービス業 | 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下 |
このように、資本金についても業種によって基準は異なります。
製造業や卸売業は小売やサービスと比べて中小企業と言える範囲が広いということですね。
従業員か資本金のどちらか一方または両方を満たした企業は中小企業ということですね。業種による違いがあるのも面白い!
中小企業の基準はいつどこで決められたのか?
中小企業の基準は、「中小企業基本法」により決められています。
中小企業基本法というのは、1963年に制定された中小企業の発展成長や活力の発揮を促すための法律。
つまり、50年以上前にはすでに中小企業の定義が決まっていたんですよね。
ただし、中小企業基本法による中小企業の基準はあくまでも原則なので絶対ではありません。
厳密には法人税法や中小企業関連立法など法律や制度によって範囲が異なることもあります。
なので、基本的には上記で説明した従業員数や資本金が基準となりますが他にも基準があることを頭の隅に置いておいてくださいね。
中小企業の基準は法律で決められているんですね!他にも基準があるなんて何だかややこしいな…
中小企業の定義についてもっと詳しく知りたい人はこちらも呼んでくださいね。
≫ 【中小企業の定義とは?】大企業との違いをベースに解説します!
反対に大企業の基準とは?
中小企業の対義語として大企業という言葉を使うことがありますよね。
では、大企業の基準は一体何なのでしょうか?
実は、大企業には明確な基準がありません。
一般的に「中小企業の基準に該当しない企業=大企業」と呼んでいるだけなんですよね。
要するに、上記で説明した従業員数と資本金を上回っている企業=大企業ということ。
意外にも規模や知名度は関係ないんですよね。みなさんがイメージするより大企業の範囲は広いんです。
ちなみに、業界内でシェアや知名度がトップに位置する企業を「大手企業」と言います。
(就活生のみなさんはこちらの方が馴染みがあるかもしれませんね。)
就活中はあまり意識することはないかもしれませんが、これを機に正しい意味を覚えておくと良いですね。
大企業と大手企業は同じような意味だと思っていましたが実は違うんですね。
中小企業とベンチャー企業を見分けるための基準とは?
就活中は中小企業の他にベンチャー企業という言葉もよく聞きますよね。
ベンチャー企業とは英単語の”adventure(冒険)”から作られた日本語ですが、実は明確な定義はありません。
新しいビジネスを展開しており成長過程にある企業を総合的にベンチャーと呼びます。
ただしベンチャー企業の多くは規模が小さいので「ベンチャー企業かつ中小企業」というパターンも多く、線引きがはっきりしない部分もあるんですよね。
ではどのようにベンチャー企業を見分ければ良いか?
ポイントとなるのは以下のような点です。
- 新しいビジネスやサービスを展開している
- 設立年数が浅い(目安は10年以内)
- 即戦力を重視した採用
- 20~30代の若手人材が多い
- 管理職や役員の年齢も若い
- フレックスや裁量労働制など自由な働き方を取り入れている
- 将来的に有名企業になる可能性を秘めている
企業にもよるのではっきりとは言えませんが、ベンチャー企業は新規性や成長志向といった特徴を持っていることが多いです。
なので、就活でベンチャー企業かどうかを見分ける際はこれらの点に注目してくださいね。
設立年数が浅いことに加え、若手が多いことや自由な働き方、ビジネスの新規性などもベンチャーの特徴なんですね。
中小企業に関するその他の基準・平均値まとめ
中小企業と聞くと「給料が低そう」「ブラック企業が多そう」というイメージを持つ人もいますよね。
では実際のところ中小企業の労働環境はどうなのでしょうか?
そこで次に、中小企業の平均年収と離職率、残業時間を大企業と比較しながら紹介していきます。
中小企業の平均年収の基準(平均)
厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模別の平均賃金(残業代や手当を含まない1ヵ月分の給料)は以下の通りです。
出展元:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
これをもとに平均年収を算出してみましょう(賃金×12ヵ月)。
男性 | 女性 | |
大企業(従業員数1000人以上) | 約573万円 | 約364万円 |
中企業(従業員数100~999人) | 約490万円 | 約333万円 |
小企業(従業員数10~99人) | 約418万円 | 約307万円 |
※こちらは残業代など各種手当を含まない平均年収です。
男女ともに企業規模が大きいほど平均年収が高いことが分かりますね。
企業規模の区分は中小企業基本法と異なりますが、傾向から見て中小企業<大企業となるのは間違いないでしょう。
ただ、こちらはあくまでも平均値であり実際は企業ごとにかなりばらつきがあります。
大企業より年収が高い中小企業もありますし、逆も然り。
なので、就活で企業を選ぶときは大企業か中小企業という括りではなく企業ごとに年収を調べるようにしてくださいね。
中小企業の離職率の基準(平均)
少し古いデータですが、中小企業庁によると企業規模別の平均離職率は以下のようになっています。
出展元:中小企業庁「2015年版中小企業白書」
大企業より中小企業の方が離職率が高く推移していますね。
全体で比較すると大企業の方が辞めにくいということです。
離職率は労働環境の良さを示す基準のひとつになるので、それを考えると中小企業は少し不利になってしまうでしょう。
先程説明した平均年収の差も離職率の違いに関係しているのかもしれません。
ただしこちらも企業ごとに実態は異なるので、平均は平均として参考程度に考えてくださいね。
中小企業の残業時間の基準(平均)
エン・ジャパン株式会社が行ったアンケート調査によると、企業規模別の平均残業時間は以下のようになっています。
企業規模が大きいほど残業時間が少し増えているような印象を受けますね。
これを見ると中小企業=残業時間が長いということはなさそうです。
ただ、こちらにカウントされている残業時間は各企業が把握している分だけ。本当のブラック企業は残業申請さえさせてくれないので実態を反映しているとは限りません。
しかも残業時間は企業規模というよりも業界による差の方が大きい。
(たとえばコンサルや広告業界は企業規模を問わず残業時間が長い傾向にあります。)
要するに、データだけで残業時間の実態を把握するのは難しいし、そもそも企業規模で比較をしてもあまり意味がないということ。
なので残業時間だけをピンポイントで比較するよりは、待遇や離職率も含めて判断した方が良いですね。
中小企業の傾向がよく分かりました。それと同時に、中小企業だからと一括りにしないように気を付けたいと思いました!
中小企業への入社が向いている人の基準とは?
「やっぱり就職するなら大企業でしょ!」と考える就活生も多いですよね。
しかし、イメージだけで中小企業を選択肢から外してしまうのは大変もったいないこと!
なぜなら、日本企業の99%は中小企業だからです。
少し大げさかもしれませんが、大企業に絞った時点で99%の可能性を自ら捨てることになるんですよ。
しかも中小企業には中小企業の良いところがあり、向いている人もいる。
なので、大企業への憧れや安心感はさておき、自分が中小企業に合っているか一度確認してみても損はありません。
ということで最後に、中小企業への入社が向いている人の基準を見ていきましょう。
これを見てピンと来た人はぜひ中小企業も就職の選択肢に入れてくださいね。
【中小企業への入社が向いている人の基準】
- 世間体をそこまで気にしない人
- 安定性を1番に重要視しない人
- 1つの仕事内容に固執しない人
- 実力を発揮して早く出世したい人
- スピード感のある仕事をしたい人
①世間体をそこまで気にしない人
1つ目の基準は、世間体をそこまで気にしない人です。
なぜなら、中小企業は大企業と比べてネームバリューが弱いから。
所属企業で人の価値が決まるわけではありませんが、人によっては人間関係や生活にも強く影響するんですよね。
たとえば友人との付き合い方とか結婚とか、家族との関係とか…。
そのような人は大企業であることが大切なので、企業規模も企業選びの軸になってくる。
しかし世間体を気にしない人であれば、自分に合った仕事なら中小企業でも何の問題もありません。
むしろ多くの選択肢の中から就職先を選べるので、中小企業にも目を向けた方が可能性が広がります。
なので、自分は世間体にこだわりたいのか、それともあまり気にしないのかを一度しっかり考えてみてください。
②安定性を1番に重要視しない人
続いて、安定性を1番に重要視しない人も中小企業に向いています。
というのも、中小企業は資金力が弱く倒産したりリストラされたりするリスクが大企業よりも高いから。
事業規模が小さいので、既存顧客が離れたり景気が悪くなったりするとどうしても不安定になってしまうんですよね。
もちろん中にはニッチな分野で活躍する優良企業や急成長が期待される中小企業もあるので一概には言えません。
しかし比較するとやはり大企業の方が安定性は高いです。
なので、企業の安定性よりも重視したいポイントがある人には中小企業も向いています。
③1つの仕事内容に固執しない人
3つ目の基準は1つの仕事内容に固執しない人。
なぜなら、中小企業は1人で幅広い仕事を担当することが多いからです。
大企業は従業員数も仕事の総量も多いので、縦割り分業制で仕事を行う傾向があるんですよね。
たとえば営業なら営業だけ、経理なら経理だけ、というように。
企画職の中でも〇〇の企画だけ、とさらに細分化されていることも少なくありません。
一方中小企業は少ない人数で小規模の仕事を行うので、営業と事務を兼務したり経理と労務を兼務したりと1人で複数の仕事を担当することも多いんですよね。
なので、1つの仕事内容に固執せず幅広く経験したい人は中小企業の方が向いています。
幅広い仕事を経験するのは大変そうと思うかもしれませんが、仕事全体の流れを早く把握できるというメリットもあるんですよ。
④実力を発揮して早く出世したい人
早く出世したい人も中小企業に向いています。
大企業は年功序列制度を取り入れている企業が多く、成果を上げても年齢によって昇格が制限されることは少なくありません。
安定性に優れる一方で、実力があっても出世の順番待ちをしなければならないんですよね。
一方中小企業はライバルが少なく個人が企業全体に与える影響が大きいので、実力があれば早めに出世できることもあります。
特に設立年数が浅いベンチャー企業なら、事業拡大により新しい役職が生まれていくので20代で管理職になることも珍しくありません。
なので、もちろん企業による違いはありますが、実力を発揮して早く出世したい人には中小企業の方が合うんですよ。
⑤スピード感のある仕事をしたい人
5つ目に、スピード感のある仕事をしたい人も中小企業に向いています。
なぜなら、中小企業は規模が小さく意思決定までの承認スピードが早いから。
たとえば新しいサービスを始める場合、大企業は何段階もステップを踏まなければならず承認待ちの時間が長くなってしまうんですよね。
それゆえビジネスチャンスを逃してしまうことも少なくありません。
一方中小企業は承認までのステップが少ないため、全体的にコンパクトでスピーディーに仕事が進みます。
売上が伸びないと判断すればすぐに撤退できリスクを最小限にできるのもメリット。
なので、短いスパンでさまざまな仕事をしたい人やすぐにフィードバックが欲しい人は中小企業の方が向いていますよ。
中小企業に入社することにはメリットもデメリットもあるんですね。この基準をもとに自分にはどんな企業が合っているのか考え直したいと思います!
本記事の要点まとめ
本記事では中小企業の基準や大企業との違い、中小企業に向いている人の特徴を共有してきました。
中小企業というと単に「小さい会社」をイメージする人もいるかもしれませんが、実は法律によりその範囲が決められています。
基準となるのは資本金や従業員数で、意外にも知名度や上場or非上場は関係ないんですよね。
よって「中小企業より大企業の方が上だ」と思っているならそれは勘違いです。
むしろ人によっては中小企業の方が向いているケースもあります。
ただ、安定性や待遇などにおいては大企業の方が優れているのも事実。
なので、中小企業の基準やメリット・デメリットを知った上で自分に合う選択をしてください。
これを読んだみなさんが、自分にとってベストな企業に出会えますように。
▼本記事のまとめ
- 中小企業の基準は「中小企業基本法」により資本金と従業員数で決められている。
- 大企業に明確な基準はないが、一般的には中小企業の基準を上回る企業を指す。
- 設立年数が浅く成長段階にある企業をベンチャー企業といい、多くは中小企業に該当する。
- 中小企業は大企業よりも給料が低く離職率が高い傾向にあるが、企業にもよるので一概には言えない。
- 中小企業に向いている人の基準は、世間体をあまり気にしない、安定性を最重視しない、1つの仕事に固執しない、早く出世したい、スピード感のある仕事をしたいの5つ。