【中小企業の割合は?】日本は99%が中小企業って本当?

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この記事では、日本企業における中小企業の割合や中小企業が多い理由についてバシッと共有していきます!

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それでは本題に入っていきますね!

就活中はつい知名度の高い大企業に意識が向いてしまいますよね。

ですが、実は日本では大企業よりも中小企業の方が圧倒的に多いんです!

なので中小企業にも目を向けることで将来の可能性はぐっと広がりますよ。

では、どれくらい中小企業は多いのでしょうか?

ということで今回は日本における中小企業の割合や中小企業が多い理由について、大企業との違いを踏まえながら解説していきます。

ぜひこれを読んで、中小企業への理解を深めてくださいね。

日本の企業全体における中小企業の割合

では早速、日本の企業全体における中小企業の割合を見ていきましょう。

中小企業庁の「2021年版 中小企業白書 小規模企業白書」のデータを見てください。

出展元:中小企業庁「2021年版 中小企業白書 小規模企業白書

なんと、中小企業は全企業のうち99.7%なんです!

大企業はわずか0.3%しかありません。

従業員数で見ると少し割合は減りますが、それでも全体の約70%が中小企業に所属していることが分かります。

それだけ中小企業は日本の経済や暮らし、雇用を支えている存在ということですね。

こんなに中小企業が多いなんて知りませんでした。大企業だけに目を向けて就活をすると自ら多くの選択肢を捨ててしまうことになるんですね。

都道府県別の中小企業の割合

続いて、都道府県別の中小企業の割合も見ていきましょう。

以下のデータは中小企業庁の「都道府県・大都市別企業数、常用雇用者数、従業者数」より算出したものです。

都道府県中小企業数の割合中小企業の従業員数の割合
北海道99.80%83.49%
青森県99.89%90.53%
岩手県99.81%89.03%
宮城県99.76%84.58%
秋田県99.91%92.49%
山形県99.84%91.12%
福島県99.88%85.27%
茨城県99.88%86.43%
栃木県99.84%85.40%
群馬県99.85%82.61%
埼玉県99.83%80.35%
千葉県99.81%76.94%
東京都98.90%41.27%
神奈川県99.69%72.25%
新潟県99.81%84.39%
富山県99.73%81.57%
石川県99.78%86.60%
福井県99.85%89.43%
山梨県99.88%90.19%
長野県99.81%85.50%
岐阜県99.87%85.58%
静岡県99.82%82.42%
愛知県99.69%70.77%
三重県99.84%88.34%
滋賀県99.83%84.27%
京都府99.76%74.38%
大阪府99.61%66.89%
兵庫県99.79%83.41%
奈良県99.90%94.07%
和歌山県99.92%89.85%
鳥取県99.82%94.25%
島根県99.89%92.46%
岡山県99.80%82.56%
広島県99.80%76.70%
山口県99.86%81.76%
徳島県99.91%90.51%
香川県99.83%83.54%
愛媛県99.82%86.07%
高知県99.89%91.92%
福岡県99.75%77.72%
佐賀県99.85%89.64%
長崎県99.87%91.77%
熊本県99.87%90.20%
大分県99.88%85.90%
宮崎県99.90%93.09%
鹿児島県99.89%87.48%
沖縄県99.87%87.85%

都道府県別の割合では、東京都だけが99%を下回っています。

従業員数から見ても、都市部は地方よりも中小企業の割合が低い傾向にありますね。

これは大企業の本社や支店が都市部に多いことが関係しています。

ただ、都道府県によって差はあるものの中小企業の割合が高いことに変わりありません。

東京都以外は99%以上が中小企業なんですね。地方は特に中小企業の割合が高い!

そもそも中小企業とは?

ここまで中小企業の割合について解説してきましたが、そもそも中小企業ってどんな企業を指すのか知っていますか?

「単純に小さい企業という意味なじゃないの?」と思う人もいるかもしれません。

それも間違いではないんですが、実は中小企業にはきちんと定義があるんですよ!

ここでは中小企業の定義と大企業との違いについて共有していきます。

中小企業の定義

中小企業の定義は、「中小企業基本法」によって以下のように決められています。

業種中小企業基本法の定義
製造業その他資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人
卸売業資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
小売業資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人
サービス業資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は 常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

引用元:中小企業庁 中小企業・小規模企業者の定義

業種ごとに資本金と従業員数の基準が定められており、それを満たす企業は中小企業ということですね。

意外にも知名度やシェアなどは関係ありません。

ただしこれはあくまでも原則であり、法律や制度によって異なることもあります。

なので例外パターンもありますが、「基本的にはこのルールによって決まる」と認識しておいてください。

大企業との違い

中小企業に対して大企業という言葉を使うこともありますよね。

では大企業はどんな企業なのでしょうか?

実は、大企業には明確な定義がありません。

中小企業に該当しない企業を一般的に大企業と呼んでいるだけなんですよね。

つまり、先程紹介した資本金・従業員数の基準を上回る企業=大企業ということです。

大企業と言えば知名度の高い企業やシェアの高い企業というイメージが強いですが、みなさんが思うよりも大企業の範囲は広いんですよ。

ちなみに、業界内での知名度や規模が大きい会社は「大手企業」と呼ばれます。

混同されることも多いですが、ぜひこれを機に違いを覚えてくださいね。

中小企業ではない企業=大企業ということですね。大手企業の意味もしっかり覚えておきます!

中小企業の割合が多い理由

日本の企業のうち99%以上は中小企業だと説明しましたが、なぜそんなに中小企業が多いのでしょうか?

ここでは中小企業の割合が高い理由について共有していきます。

【中小企業の割合が多い理由】

  1. 大企業にまで成長させるのが難しいから
  2. 従業員を増やすスクが大きいから
  3. 資本金を増やすメリットが少ないから

理由① 大企業にまで成長させるのが難しいから

1つ目の理由は、中小企業を大企業にまで成長させるのが難しいからです。

中小企業庁の資料によると、企業の規模変化は次のようになっています。

出展元:中小企業庁「企業数の変化と開廃業の動向

企業規模を拡大した企業はわずか2.4%で、多くの企業は規模をそのまま維持しています。

ではなぜ規模を拡大する企業がこんなにも少ないのか?

その理由は、そもそも企業として事業を継続するのは簡単ではないからです。

調査母体や計算法によっても異なりますが、企業の存続率は10年後で約70%、20年後は約50%と言われています。

企業規模を拡大するとなればさらにハードルは上がる。

それだけ日本は企業間の競争が激しいということですね。

要するに、大企業になるハードルが高いために中小企業が多く存在しているということなんですよ。

理由② 従業員を増やすスクが大きいから

2つ目の理由は、従業員を増やすリスクが大きいからです。

企業を大きくするためには従業員を増やし事業を拡大しなければなりません。

ですが、従業員を増やすとリスクも大きくなってしまうんですよね。

たとえば人件費や家賃などの固定費、社員の教育コスト、従業員同士のトラブル…。

企業規模が大きくなると小回りが利きにくくなるというデメリットもあります。

しかも企業間競争が激しい中で従業員を養えるだけの売上も立てなければなりません。

つまり、従業員数を増やすにはクリアしなければならない課題が多い。

そのリスクを考え、中小企業のまま経営している企業も多いんですよ。

理由③ 資本金を増やすメリットが少ないから

続いて、資本金を増やすメリットが少ないことも中小企業が多い理由のひとつです。

資本金というのは、企業を設立する際に創業者や株主から出資された「ビジネスの元手となったお金」のこと。

この資本金が中小企業基本法の基準よりも少なければ中小企業、多ければ中小企業ではない(つまり大企業)ということになります。

資本金を増やすことには社会的信用が向上したり財政基盤が強化されたりというメリットがあるんですが、デメリットもあるんですよね。

具体的には、税負担や手続きの費用といった金銭的負担が増えます。

メリットが少ないうえデメリットもあるので、大企業になることでかえって経営がうまくいかなくなる可能性もある。

なので資本金という観点から見ても大企業になるハードルは高く、その結果中小企業が多くなってるんですよ。

中小企業が大企業になるためのハードルの高さが、中小企業の多さに関係しているんですね。

中小企業の赤字・黒字の割合は?

中小企業というと「儲かっていない企業が多いんじゃないの?」と不安を抱く人もいるかもしれません。

では中小企業のうちどれくらいの割合が赤字なのでしょうか?

少し古いデータですが、中小企業庁の資料を見てください。

出展元:中小企業庁「2014年版 中小企業白書

年度によってバラつきはありますが、中小企業のうち30~50%が赤字であることが分かります。

大企業の赤字率は10~25%程度なので、比較すると中小企業の方が赤字率が高いですね。

よって黒字率も中小企業より大企業の方が高いと言えます。

やはり経営の安定性においては大企業の方が勝っているんですよね。

ただし、決算処理上赤字だからといってすぐに倒産するとは限りません。

節税のためにあえて赤字にしている企業も存在しますし、黒字のまま倒産するケースもあります。

なので、割合を見ると中小企業は大企業よりも赤字率が高めですが、そこだけで企業の良し悪しを判断しないようにしてくださいね。

やはり中小企業は大企業よりも赤字率が高いんですね。中小企業を見るときは経営状況もしっかり調べよう!

中小企業に関してよくある質問

ここまで中小企業の割合について紹介してきましたが、最後によくある質問にお答えします。

ぜひここで疑問を解消してさらに理解を深めてくださいね。

質問①世界全体の中で日本は中小企業の割合が高いのでしょうか?

日本では99%が中小企業なんですよね?これは世界全体で見ても割合が高い方なのでしょうか?

株式会社三菱総合研究所のデータによると、国別の中小企業の割合は以下のようになっています。

出展元:株式会社三菱総合研究所「令和2年度 海外の中小企業・小規模事業者に関する制度及び統計調査 報告書

これを見ると、EUやイギリス、アメリカなどは日本と同じくらい中小企業の割合が高いことが分かります。

中国やロシアは少し低めですが、それでも95%以上。

なので世界全体で見て日本の中小企業の割合が特別高いということはないかと。

ただし、中小企業の定義は国によって異なるので数字だけを見て正確な比較をすることはできません。

その点も留意してこのデータを参考にしてくださいね。

質問② 海外で最も中小企業の割合が多い国はどこですか?

海外で最も中小企業の割合が高い国はどこですか?

先程紹介した株式会社三菱総合研究所のデータによると、中小企業の割合が最も高いのはイギリスやイタリアです。

これらの国は99.8%以上と日本よりもさらに高くなっています。

ただし、先程も説明したように中小企業の定義は国によって異なります。なのでこの数値だけでは単純に比較できないことにも留意してくださいね。

ちなみに、以下に国別の従業員数の割合も載せておくのでこちらも参考にしてください。

出展元:株式会社三菱総合研究所「令和2年度 海外の中小企業・小規模事業者に関する制度及び統計調査 報告書

質問③ 日本において中小企業の割合が多いデメリットはありますか?

日本は中小企業の割合が高いですが、それって社会にとってどうなんですか?デメリットはありますか?

日本において中小企業の割合が高くなることには、労働生産性の低さによる所得減少、そして日本経済の停滞といったデメリットがあります。

中小企業庁の「中小企業白書2018」によると、企業規模別の時間当たり労働生産性の水準は以下のようになっています。

出展元:中小企業庁「中小企業白書2018

中小企業は大企業に比べて労働生産性が低いことが分かりますね。

労働生産性というのは従業員1人あたりがどれだけの価値を生み出したのかを示す数字。

つまり、中小企業は従業員数に対して効率的に利益を出せていないということになります。

労働生産性が低ければ給料は上がりにくい、そして消費者でもある労働者の所得が減れば経済の停滞につながる。

中小企業は日本経済や雇用を支える存在である一方で、こうした問題も抱えているんですよ。

日本のように中小企業が多い国は他にもあるんですね。中小企業が抱える問題についても理解が深まりました。

本記事の要点まとめ

本記事では、日本における中小企業の割合や中小企業の定義、中小企業が多い理由について共有してきました。

日本では企業全体のうち99.7%が中小企業です。

特に地方は大企業が少ないため、中小企業が占める割合が高くなる傾向があります。

なぜそんなに中小企業が多いのかというと、規模を拡大して大企業になるハードルが高いから。

それだけ企業間競争が激しい時代ということですね。

また、資本金を増やして大企業になるメリットの少なさとリスクも関係しています。

就活をしていると中小企業の定義や割合をはっきりと意識することは少ないかもしれません。

ですが中小企業には中小企業の良さもあるので、ぜひこれを機に理解を深めておいてくださいね。

▼本記事のまとめ

  • 日本の企業全体における中小企業の割合は99.7%。
  • 都道府県別に見ると都市部よりも地方の方が中小企業の割合が高い。
  • 中小企業の定義は中小企業基本法により決められており、基準は資本金と従業員数。
  • 中小企業の割合が高い理由は大企業まで成長することの難しさ、従業員を増やすリスク、資本金を増やすリスクの3つ。
  • 中小企業は大企業に比べて赤字企業の割合が高い。
この記事を書いた人

就活マン(藤井智也)

日本最大規模の就活ブログ「就活攻略論」を運営。
大学時代に中堅大学から超高倍率の食品メーカーからの内定を獲得後、1年で退社し独立。これまで執筆した就活記事は1200記事を超える。

この記事を監修した人

藤九 亮輔

国家資格「キャリアコンサルタント」を保有。
元大学キャリアセンター職員。
就活記事のライター歴5年。現在はホワイト企業ナビの編集部として活動中。

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